
シンギングボウルはまだ日本ではあまり知られていませんが、その歴史はとても古くブッダ生誕以前に遡り遡ります。
シンギングボウルの歴史
シンギングボウルは約3000年前、チベットの高層が神にささげる儀式に使う神聖な法具として使われてきました。
チベット密教で音は重要なツールの1つであり、霊的体験を促す目的や五感に働きかける目的で使われていたともいわれています。
その製造は伝統的技法として、チベット・ネパール・インドなどの一族の中で代々口伝で受け継がれきました。
シンギングボウルと7つの金属
シンギングボウルは7種類の特定の金属よりつくられます。
これらの神聖な金属は太陽系を構成する7つの天体や人体のチャクラに対応し、特定の音階に微調整されています。
チャクラ | 惑星 | 金属 | 音階 |
1 | 土星 | 鉛 | F |
2 | 木星 | 錫 | C |
3 | 火星 | 鉄 | G |
4 | 太陽 | 金 | D |
5 | 金星 | 銅 | A |
6 | 水星 | 水銀 | E |
7 | 月 | 銀 | B |
ハンドメイドとマシンメイドの違い
現代のシンギングボウルは機械でつくられたマシンメイドのものが多くありますが、より良いヒーリング効果を生むためは伝統的技法によって手でつくられたハンドメイドボウルを使用することが必要です。
実際に奏でてみるとわかりますが、ハンドメイドボウルは彼方に伸びゆく響きがあり、倍音が鳴りやまず自分の周りを巡るような感覚があります。
その感覚は決してマシンメイドでは味わうことができません。
ヒーリング用のボウルは、伝統的技法を受け継いだ一族達がマントラを唱えながら祈りを込めてつくっているそうです。
特別なシンギングボウル
シンギングボウルにはフルムーンボウル・ニュームーンボウルと呼ばれる特別なボウルがあります。
フルムーンボウル
フルムーンボウルとは満月の夜に月明かりのみでつくられているシンギングボウルです。
満月は「吸収」と「達成」の大きなエネルギーを持ちます。
心身ともに様々な栄養を取り込む力が最高潮に達する満月の日に、職人たちはパワーを込めてフルムーンボウルをつくります。
製造中、食事や水も取らず言葉を発することも厳禁だそうで、月の出ない雨の日にはつくらないとても貴重なシンギングボウルです。
ニュームーンボウル
ニュームーンボウルとは、新月の日につくられるシンギングボウルで、フルムーンボウルより希少価値が高くとてもめずらしいものとされています。
新月は「浄化」と「はじまり」の大きなエネルギーを持ち、太古より新月の願い事は叶うと信じられてきました。
このニュームーンボウルには、新月のパワーが込められています。
フルムーンボウルをつくる時と同様、製造中は食事や水も取らず言葉を発することも厳禁。
電灯はつけず1000℃を超える炉の燃え盛る炎の光のなかでつくられています。
シンギングボウルセラピーで得られる癒し効果
シンギングボウルにはさまざまな種類がありますが、そのような波動の高いボウルを使ったセラピーを受けていただくことにより、3つの効果が期待できます。
Relax~リラックス
シンギングボウルセラピーの具体的な効果をあげますと、まずはリラックスです。
シンギングボウルの音の波動は、脳波をβ波からα波に導くとされています。
β波とは脳が覚醒している時の状態、α波とは脳がリラックスしている時の状態です。
シンギングボウルの波動で滞りが解け呼吸が深くなり、脳波を瞑想状態へ導いていきます。
短時間のセッションでも眠ってしまわれる方がいらっしゃるほど、心地良い音色に癒されリラックスできるのです。
Activation~活性化
2つ目の効果はチャクラ・細胞の活性化です。
チャクラとは人間の身体にあるエネルギーの出入り口です。
私たち東洋人にとっては「ツボ」のようなものと考えた方がわかりやすいかもしれません。
チャクラのバランスがとれている時は心身の状態が健康に保たれます。
逆にチャクラのバランスが崩れている時は心身に不調が出たり、物事が思うように運ばなくなったりすると言われています。
シンギングボウルの音は各チャクラに対応しており、奏でる音の波動はチャクラを活性化し心身のバランスを整え精神を高次元に導くとされています。
また身体の深部に波動が響きわたるので、チャクラだけではなく細胞も活性化されます。
Purification~浄化
3つ目の効果は浄化です。
シンギングボウルの波動は肉体はもちろんですが、心までも浄化してくれると言われています。
また物や空間を浄化する力もあるので空気が重いと感じる場所や物の近くでシンギングボウルを鳴らしてみると、ネガティブなエネルギーをクリアな状態にしてくれます。
まとめ
シンギングボウルは癒しのアイテムのひとつとして世界中の人々に使用されるようになりました。
欧米では主にセラピーに取り入れられ、抗癌剤の副作用を和らげるために用いられたりホスピスなどでも使用されています。
癌などの肉体疾患から鬱病やパニック障害などの精神疾患まで、幅広く効果が認めはじめられているのです。
近年日本では、シンギングボウルセラピストの他、脳外科医・精神科医・ヨガインストラクター・大手企業のマインドフルネス担当者など様々な方に使用されています。